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60歳に到達するタイミングっていつ?誕生日でいいよね?そう思っていませんか?
実はその常識、法令では少し異なるんです。
細かいですが、次の取り扱いになっています。
法令上の年齢は「年齢計算ニ関スル法律」によって、誕生日前日にその年齢に達するとされています。
例えば、4月1日が誕生日の人の場合は、60歳誕生日の前日の3月31日が60歳になった日(60歳到達日)になります。
項目 | 誕生日 | 60歳到達日 |
---|---|---|
日付 | 4月1日 | 3月31日 |
8月8日が誕生日の人は、次の通りです。
項目 | 誕生日 | 60歳到達日 |
---|---|---|
日付 | 8月8日 | 8月7日 |
え〜本当なの?と思いましたか?
根拠を確認しておきましょう。
勘違いしやすい「年齢到達日」、年齢計算ニ関スル法律を確認
年齢の到達日の考え方、実は法律で決まっているんです。
こんなことまで決まっているなんて、面白いですね。
それでは、「年齢計算ニ関スル法律」を確認します。
明治三十五年法律第五十号(年齢計算ニ関スル法律)
① 年齢ハ出生ノ日ヨリ之ヲ起算ス
② 民法第百四十三条ノ規定ハ年齢ノ計算ニ之ヲ準用ス
③ 明治六年第三十六号布告ハ之ヲ廃止ス
民法の規定を準用とか、なんだか難しいね…
民法の定めは下記の通りです。
民法 第143条
(暦による期間の計算)
第百四十三条 週、月又は年によって期間を定めたときは、その期間は、暦に従って計算する。
2 週、月又は年の初めから期間を起算しないときは、その期間は、最後の週、月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する。ただし、月又は年によって期間を定めた場合において、最後の月に応当する日がないときは、その月の末日に満了する。
要は、期間の計算は起算日の応答日の前日に満了するので、年齢到達は誕生日前日になるということなんです。
ちょっとした豆知識ですね。
老齢給付金が受給できる60歳到達の時期
老齢給付金が受給できる60歳到達の時期は、「年齢計算ニ関スル法律」を根拠として、60歳誕生日の前日となることがわかりましたね。
モヤモヤしていたのが、根拠が明確になったのでスッキリしました。
実際に老齢給付金の受給の裁定をするときには他の条件もありますが、年齢に関する法令上の取り扱いは上記の通りです。
この年齢に関する考え方は、確定拠出年金だけに適用されるものではありません。公的年金や他の制度でも同様です。
なんとなく常識と思っていることと、法律上の取扱が異なることもあるので注意ですね。