こんにちは。確定拠出年金 研修室へようこそ。
確定拠出年金に積み立てた資産を受け取れるのは、いつからなのかご存じですか?
制度に加入する際、確定拠出年金は原則として途中で止めることができず、また60歳以降にならないと受け取る事はできない、と最初に説明があったと思います。
長期間運用を継続した後、60歳以降にようやく受け取れる仕組みなんです。
確定拠出年金の給付の種類
確定拠出年金の給付の種類は、次の4種類あります。
- 老齢給付金
- 障害給付金
- 死亡一時金
- 脱退一時金
この記事では、老齢給付金の受け取りについて確認します。
障害給付金や死亡、脱退一時金については別途確認します。
老齢給付金の年金受取開始時期は60歳から75歳までの間
確定拠出年金の老齢給付の受け取りは、加入者資格喪失後、原則として60歳から75歳(2022年4月の法改正で70歳から75歳に引き上げ)までの間に手続する必要があります。*1
もし75歳時点で裁定請求(受取手続き)を開始していなかった場合は、75歳時点で自動裁定され、全額一時金で支給されます。
なお、60歳時点でそれまでの通算加入者等期間(加入期間)*2が10年以上ない場合は、60歳までの加入期間に応じて、受取開始可能時期が61歳から65歳の間に調整されますので注意です。
また、60歳以上で、これまで一度もDCに加入したことがない人が DCに新たに加入した場合は、制度加入から5年経過しないと、裁定請求(積み立てた資産の受け取り手続)をすることはできません。
老齢給付金の受け取り方法|一時金や年金から選択
一般的には、1)全額一時金で受け取る、2)全額年金にして分割で受け取る、3)一時金と年金を併用する、から受け取り方法を選択できます。(加入しているDC制度の規約によっては、選択肢が限定されている場合もあります。)
年金で受け取る場合は、通常5年から20年の間で、加入しているDCプランで選択可能な期間から受取期間を選択します。
また、加入しているDC制度の運用商品ラインアップに生命保険商品が提示されている場合、確定年金や終身年金を選択出来る場合があります。詳細は加入しているプランの受け取り方法を確認してください。
なお、年金での受け取りを選択した部分は、途中で全額受給を希望したとしても、法令の定めにより支給開始後5年経過しないと、残額を一括で受け取ることはできません。
DCで積み立てたお金を受け取る場合(裁定請求する場合)は、一時金で受け取るのか、年金で受け取るのかで適用される税制が異なるので、受給の際は受け取り方法をしっかりご自身で検討してから受け取りましょう。
DCの年金受け取り期間中に死亡した場合
年金受け取り期間中に本人が死亡した場合、DCの資産の残額が一括して遺族に支給されます。遺族が年金で受け取ることはできません。
また、遺族の範囲は確定拠出年金法で定められている遺族の定義が優先され、一般的な相続の場合と受け取り順位が異なります。
必要な手続き等の詳細は死亡の届出を行う際に、DCプランの運営管理機関へ問い合わせて手続きを確認する必要があります。